vol’16
徳川光圀と大洗
里海邸は大洗台地の東端の岩礁海岸に沿って立ち並ぶ旅館街の一軒です。
宿の西側には大洗山があり、山の鎮守の杜に大洗磯前神社が鎮座しています。本殿はあまり見ることの無い茅葺が印象的です。大洗磯前神社は平安時代に創建されましたが、戦国時代に戦禍で廃塵となり江戸時代に徳川光圀が再興に着手し、その後概ね現在の形になりました。
大洗はかつて水戸藩領であり、藩主であった徳川光圀は隠居後に頻繁に大洗を訪れてレジャーを楽しんでいたことが、「日乗上人日記」で度々紹介されています。
この日記は水戸藩に招かれた日蓮宗僧侶・日乗が、隠居後の光圀の暮らしを数年間にわたり記録したものです。
里海邸の東側にある岩礁海岸「神磯の鳥居」の傍らには徳川光圀が執政中に詠んだ和歌「磯月」(常山詠草の秋歌)を彫った歌碑が立ちました。
和歌の内容は以下の通り
『磯月』
荒磯の岩にくたけて ちる月を
ひとつになして帰る浪かな
感動的な素晴らしい意味を持つ和歌ですので、ぜひ解説をお読みください。
※和歌現代訳はこちらです↓
「徳川光圀と大洗」
https://oarai-kaiun.jp/essay/essay02.php