vol’07
人生というものは詰まるところ、単一の窓から眺めたときの方が、遥かにすっきりして見えるものなのだ。

夏休み最後の週末の朝。宿のルーフトップテラスから大海原を眺めている。雲たちは品評会のように誇らしげにポーズをとって水平線上に並び、雪まつりならぬ雲まつりの作品のようだ。
「人生というものは詰まるところ、単一の窓から眺めたときの方が、遥かにすっきりして見えるものなのだ。」(グレート・ギャツビー スコット・フィッツジェラルド)
大人になるほどに、多様な見方、複眼的な思考が大切とされる時代にしがみついて生きなければ生き残れないような気がする。でも幼少の頃のように、心を急かせずに、じっとひとつの窓から同じ世界を見続ける時間にこそ真実が見えてくる。
